令和元年10月1日
さらに、占いのお話です。
よく「相性をみてください」と依頼されるのですが、ここにもまた落とし穴があります。つまり、相性がいいことが必ずしも吉とはならず、相性が悪いことが必ずしも凶とはならないからです。これは九星気学でも秘伝なのですが、今日はちょっとだけお教えします。
単に相性がいい、相性が悪いだけではなく、〈父母・子孫・官鬼・妻財〉という四つの関係があります。父母とは自分を生かしてくれもの、子孫は自分が生かすもので、共に相生(相性がいい)の関係です。これはわかりますね。官鬼とは自分が剋される(努力を強いられる)関係です。男にとっては職場、女にとっては一般には夫のことで、努力を強いられますが自分に名誉をもたらしてくれるものです。また妻財とは、自分が尅す(努力を強いる) 関係です。実は、男にとって妻と財は同じものなのです。どういうことか、わかりますでしょうか。男がお金を稼ぐためには、必死になって働かねばなりません。当然ながら家庭を犠牲にしたり、妻には負担を強いねばなりません。この意味が妻財です。
つまり、官鬼と妻財は相尅(相性が悪い)の関係であることを申し上げたいのです。誰もが求める名誉もお金も、相尅の関係から生まれるのです。いつもお話していることですが、名誉もお金も、子供が親からお小遣いをもらうようには手に入りません。
代表的な例として、社長と従業員との相性があります。会社の経営とは、社会に働きかける(尅す る)ことです。社長は従業員に努力を強いねばなりません。楽しく笑顔で仕事をしていても、社長と従業員はナアナアの関係であってはなりません。つまり、社長にとって従業員は妻財なのです。相性が悪いことによってうまくいくのです。「社長はいい人だけど、イヤなところもあるな」ぐらいに思われることです。
昨日は占いを少し悪く言いましたが、こうして考えるとなかなかのものです。東洋哲学の奥義にふれた思いです。