令和4年11月8日
ツキを呼ぶためには、月に合わせて生活することが大切です。どういうことかを簡単にお話しましょう。
中医学(漢方)の古典『皇帝内経』には、「人体は月に影響される」と述べられています。人体の60~70パーセントは塩分を含んだ水分です。つまり、海水にかなり近く、これが潮の満ち欠けに関わることは当然でしょう。月の満ち欠けはおよそ29、5日の周期でくり返しますが、これが女性の月経のリズムともなります。昔から「満月の日は出産が多い」といわれるのも、一理あるはずです。
新月から満月に向けては〈開始〉を意味します。体のエネルギー(気)が増えていって、体調も昇り調子になっていくはずです。新しいスタート台に立って、心身ともに整え、目標に向かって進みましょう。満月は〈収穫〉を意味します。エネルギーがピークに達し、体調も最高潮です。ただし、実りの結果が悪かったからといって、ヤケを起こしてはなりません。かえって、そのマイナスの要素をため込んでしまいます。収穫があったなら、その実りを人のために分け与えましょう。その心がけがさらにツキを呼ぶからです。満月から新月に向けては、〈修復〉を意味します。反省して足らないものを補充し、欠点を正すことが大切で、つまり新月に向っての準備期間とも言えましょう。
したがって、満月の日は特に注意が必要であることは当然です。うまくいったからといって有頂天になったり、逆に、落ち込んだり暴言を吐いてはなりません。満ちれば欠ける月のように、私たちはすべてを手に入れることもなければ、すべてを失うこともないのです。これが仏教の〈無常〉の真理、つまり「すべては移り変わる」という教えなのです。
今夜は満月。しかも、皆既月食と天王星の惑星食が同時に起こります(写真は午後7時の撮影で、6割ほどの月食)。何と1580年(安土桃山時代)から442年ぶりだそうで、驚きますよね。
安土桃山時代といえば、織田信長が活躍した頃です。1580年は〈本能寺〉の3年前でした。信長もこの月食を見たはずです。私は彼が現代に生きていれば、映画監督かファッションデザイナーになったのではないかと思っています。既成概念を超えた美的感覚に満ちあふれ、斬新な作品を次々に発表したことでしょう。残念ながら、その気性の激しさから・・・。いや、また余談に走りそうですね。今夜は信長の悪い一面ばかりは控えましょうと言いたかったのです。ご用心を。