令和3年5月14日
昨年の12月24日、私は中国政府・中医薬学会より〈中医師〉の資格を得て、その免状をいただきました。これは私が学んだ加持祈祷としての〈密教整体〉が気功、あるいは推拿(中国では整体やカイロプラクティックのことを推拿と言います)の技術として、中国政府からも認められたことを意味します(写真)。
私が密教整体を学んだ理由は、真言密教の加持祈祷として取り入れたいためでした。もちろん、お護摩や病者加持を修することも加持祈祷です。いや、真言密教はご祈祷もご回向も、厄除も車のおはらいも、光明真言法要も葬儀(引導作法)もすべてこれ加持祈祷なのです。このことは真言宗僧侶の方でさえ、意外にわかっていません。仏さまのお力を〈加〉とし、それを信じる力を〈持〉とする加持祈祷こそは、お大師さまの根本理念なのです。
その昔、奈良の寺々には施薬院や悲田院といった施設がありました。文字どおり、施薬院は病人に薬を施すところ、悲田院は飢えた人々や孤児のために食を施すところです。そのため、寺のまわりに薬草園や田畑を設け、これを耕しました。ご祈祷は単に〝祈り〟ばかりにとどまらず、その行動が伴えば申し分がありません。お大師さまも満濃池(香川県)の土木工事や、綜藝種智院(日本最初の庶民学校)の創設によって、その範を示されました。
病気平癒を祈る場合、護摩木を書き、またお護摩に参拝していただくことは大切なことです。ただ、多くの方々が腰痛・膝痛・頭痛などに悩んでおられる現状を見て、私は少しでもお役に立てる技術を習得したいと考え、この密教整体を学びました。今後は中医師としての資格も、大いに発揮したいと考えています。
なお、この中医師の資格習得に当たっては、あさか大師の僧侶でもある宮本覚匠師(諏訪市在住)の尽力がありましたことを特記します。深謝。