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友、遠方より

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令和元年7月15日

 

そば打ちを修行しだ宇都宮の友人が、夫人と共に訪ねて来てくれました。

彼は中学校時代の同級生ですが、実は何十年も疎遠のままでした。それが、ふとした縁で親しくなり、今ではご覧のとおりです(写真)。今日のは栃木県・高根沢町産と益子町産のブレンドそば粉だそうで、精魂を込めた打ち立てをそのまま運んで来てくれました。さすがに会得した技術はすばらしく、びっくりするおいしさでした。

そばはビタミンB、アミノ酸(タンパク質)、食物繊維を多量に含み、精白米やうどんに比べてもバランスの良い穀物です。そして、何よりも特記すべきは、ポリフェノールの一種であるルチンが豊富であることです。ルチンは毛細血管を強くして血圧を下げ、血液をサラサラにする働きが認められています。また、コリンの働きによって脂肪肝や動脈硬化を防ぎ、糖質も少ないので太りにくく、アンチエイジング食品としても申し分がありません。

いつもお話していることですが、人間とは〝人の〟です。その人の間に空気があり、その空気によって人間関係が決まります。そして、その空気を最も親密にするのは、いっしょに食事をすることなのです。皆様が、ご自分の身辺で何かと気をつかうなと思う人がいるならば、それは共にお茶を飲んだり食事をしたことのない人です。私はこの発想にかなりの自信があり、多くの人々を納得させてきました。

だから、親しくなりたいと思ったら、よけいな講釈など無用です。まずはいっしょにお茶を飲み、食事を共にしてみてください。効果はてきめんです。つまり、「同じ釜のメシ」は今も昔も同じだということです。ぜひ、試してみてください。私のイチオシです。

ちなみに、この友人はセキグチヒロシといい、どこかで聞いたような名です。

嫉妬を転じる

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令和元年6月8日

 

高齢になれば体力が衰えます。これはやむを得ないことです。では煩悩ぼんのうも衰えるかというと、これがまったく逆なのです。年齢と共に、ますます制しがたいのが煩悩でありましょう。しだいに時代から取り残され、若い人のすることがいちいち気に入らないからかも知れません。

中でも、最も制しがたい煩悩は〈嫉妬しっと〉であるといわれています。自分の成功を喜ぶのは当然ですが、他人の成功を素直に喜べないところが嫉妬なのです。嫉妬の文字は、二つながらにオンナヘンが付きます。なるほど女性は、他人の仲のよさをねたんだり、ヤキモチをやくことが多いのでしょう。

しかしながら、実は男の嫉妬はより陰険いんけんで、底知れぬ不気味さがあることをご存知でしょうか。それは男には闘争本能があり、常に競争にさらされて来たからなのです。自分の身辺によりすぐれた人物がいる時、その人物が大きな成功や栄誉に輝いた時、これをねたまぬ男はいません。口ではめたたえても、どこかで嫉妬の感情をも燃やしているのです。ヘタをすると、その嫉妬が憎しみへと転じ、あらぬ事件に進まぬともかぎりません。一国の主なら、国を滅ぼすとさえいわれるほどです。

しかしながら、嫉妬をしていたたまれないような感情を燃やさねば、人間は何も変わりません。いたたまれないようなその気持ちをヤル気に変えれば、新たな生きがいとなるのです。大事なことは、それを上手に使うこと、上手に転ずることでしょう。嫉妬の感情に燃えた時こそは、チャンスなのだと思いなおし、いっそう励むことができるのです。

いうまでもなく、嫉妬は煩悩です。振り回されればそのまま煩悩ですが、上手に使ってこれを転じれば菩提ぼだいとなるのです。嫉妬を転じれば煩悩を転じ、煩悩を転じれば菩提に転じます。退屈なお話でしたか? でも、大事なことです。

山路天酬密教私塾

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