桜大臣

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あさか大師

令和2年3月28日

 

あさか大師となりの桜が本日、満開となりました(下写真)。ただ新型コロナウイルスの影響で、お花見に訪れる方は少ないようで、とても残念です。

私は毎日、このみごとな桜を〝ひとめ〟しています。幕末の漢学者・頼山陽らいさんようは自らの住居を「山紫水明処さんしすいめいしょ」と名づけ、京都・東山三十六峰ひがしやまさんじゅうろっぽうを独り占めしました。そして、「われ関白かんぱくなり!」と豪語してはばかりませんでした。私も特別に拝観を許された経験がありますが、当時はたしかに京都三十六の名山をすべて見渡せたことだろうと実感しました。私は関白までとは行きませんが、桜に囲まれるまま、「われ桜大臣さくらだいじんなり!」ぐらいを語れるかも知れません。

日本人ほど桜をで、詩歌や物語に取り上げている民族はほかにありません。日本人は世界一桜好きの国民なのです。そして「花は桜木、人は武士」と、美しく散ることをいさぎよしとした武士にもてはやされました。そのもんも例外ではなく数百種を超えるとまでいわれています。ただ、実際の使用している例となると、意外に少ないことに驚きます。それは散ることを悪い意味で受け止め、家紋としてはけたからかも知れません。

私が知っている著名人では原 敬はらたかし山縣有朋やまがたありとも・吉田茂・与謝野晶子・吉永小百合といった方々です。また、土俵どひょうの幕に染めぬかれているとおり、日本相撲協会も桜紋です。寺紋としては何といっても吉野の金峯山寺きんぷせんじでしょう。また奈良・唐招提寺とうしょうだいじや西宮・神呪寺かんのうじ(お大師さまの弟子であった如意にょいの開山)なども桜紋を使用しています。

私はいさぎよく散ることには何の異存もなく、今日のような満開の桜を見ながらあの世へければ、何の不足もありません。むしろ、それを楽しみにしているほどです。あさか大師を「香林寺」とごうし、桜の寺紋を選んだのも、こうした願いがあってのことでした。

まだ、間に合います。このブログを読んだ方は、ぜひお花見にお越しになってください。改めてあさか大師の寺紋もせておきます(下写真)。

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