日想観のパワー

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健康

令和4年12月20日

 

人間は食事の栄養だけで生きているわけではありません。自分の精神生活、接する人や自然環境の〈気〉も大きく影響します。大勢の前でお話をすると疲れますし、住んでいる家の条件が悪いと体調もすぐれません。かつて家の建材で体調不良をおこした時代がありましたが、これも気のめぐりが悪くなるからでしょう。「気持ち」とは、自分の気がどのように保たれているかの目安なのです。

私がこのことを強く意識したのは、20代のはじめ、成田山で断食修行をした時でした。断食をしているわけですから当然お腹が空きます。たいていの男性は3日目ぐらいから体力がなくなり、どことなく力が入りません。女性は4日目ぐらいまではまったく平気で、元気に動きます。山で遭難しても、女性の方が助かる確率が高いのも同じ理由で、女性はさすがにエネルギーの蓄えが多いのでしょう。

ところが、不動堂の井戸で水行すいぎょう(水をかぶる)をすると、とたんに元気になります。石段を登っても、足早に登れました。これは水と身体の気が融合して、新たなパワーを引き出すためです。私は真夜中でも水行をするのが楽しくなったほどでした。自分の肉体レベルから、内的レベルを意識したのも、貴重な経験でした。

北陸や東北の大雪にもかかわらず、関東地方の今朝の日の出はみごとでした。あさか大師ではこの時期、ほぼ真正面から太陽が昇ります(写真)。

私は早朝、日の出を拝んで〈日想観にっそうかん〉をしています。これもまた太陽のパワーによって心身の活力が高まること、疑いようがありません。幸せといやしのホルモンであるセントニンが増え、元気で壮快な一日を迎えることができます。日想観は真言密教の『十結じゅっけつ』という聖教しょうぎょうに出ており、いわゆる日天を拝む作法です。日天は天照皇大神であり、観世音菩薩であり、大日如来そのものです。これによって私は、毎日のように大日如来のかんじょうを受けることができるのです。仏界から地上界への以心伝心を短時間で、しかも無料(!)で体験することができるのです。毎日毎日、当りまえに太陽が昇るとは、何とありがたいことでしょうか。この自然界のサイクルを生かさねば、もったいないことです。

新型コロナに加えて、インフルエンザやまた別のウイルスが加わって混合し、やっかいな感染が拡がっています。マスクや消毒はもちろん大切ですが、清潔な身心を保つことの大切さを感じます。皆様も早朝の太陽を拝んで、元気な毎日をお送りください。日の出が見えない方は、写真でもよいのです。出勤前に拝んでお出かけください。

(追記)雪国の皆様に対しましては、慎んでお見舞いを申し上げます。白亜の山頂からも太陽が照り輝いて、皆様が幸せでありますことをお祈りいたします。

山路天酬密教私塾

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