ほどほどの大切さ

カテゴリー
健康

令和2年5月23日

 

最近よく思うのですが、生きるということは〝ほどほど〟であることが大切です。たとえば、私たちが生きていくためには酸素・水・光・塩といったものが必要です。しかし、どんなに必要であっても、それが多過ぎてはいけませんし、逆に少な過ぎてもいけないことに気づくはずです。

私たちは酸素がなければ、もちろん生きてはいけません。また、大きく深呼吸をすることは自律神経を安定させ、健康増進にも役立ちます。しかし多過ぎると体内に活性酸素が発生し、健康を害します。アスリートでもない人が過激な運動をして、急死したりするのはこのためです。

水はどうでしょう。体の60パーセントは水分ですから、水の重要性は申し上げるまでもありません。特に真夏に大量の汗をかくと水分が不足し、血液がドロドロになり、熱中症や脳梗塞のうこうそくを招きかねません。この頃は気象予報士でも、「こまめに水分を補給しましょう」などとよく言います。しかし大量に水分をとり過ぎると、これを処理する腎臓じんぞうに無理が生じます。体に不要な水がたまって冷えの原因となります。漢方ではこれをすいどくといい、万病のもととするのです。今日、若い女性の体温が低く、また体がむくむのは、運動不足やクーラーに加えて冷たい水やお茶を必要以上に飲むからです。

太陽光の紫外線が皮膚がんやシミの原因になるとして、極端に避ける方がいますが、これもいけません。朝日を拝んでセントニンを浴びることは、心身のバランスをはかる上でとても大切なことです。うつ病や引きこもり、すぐにキレやすいといった症状は、脳内セントニンが不足しているからです。

塩も大事です。多くの医師が「塩分をひかえましょう」と言って減塩運動を呼びかけますが、高血圧の人口はいっこうに減りません。その理由の一つは合成した食塩(塩化ナトリュウム)にあるからです。また、熱中症は水分の補給だけでは予防できません。血液は塩分濃度を一定に保つ必要があるからです。よけいなことでしょうが、日本人は少しは高価でも、塩と醤油しょうゆと味噌ばかりは昔ながらの天然ものを使うべきだと私は思います。

こうした事実に照合すると、見えてくる真理がたくさんあります。新型コロナウイルスはもちろん論外ですが、あまりに除菌が過ぎると免疫力が落ちます。謙虚であることは大切ですが、謙遜けんそんが過ぎると卑屈ひくつになります。正直に生きねばなりませんが、潔癖けっぺきが過ぎると周囲から敬遠されます。迷惑をかけてはいけませんが、遠慮が過ぎると相手を困らせます。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」と言うではありませんか。ほどほどの意味を知りましょう。そして、ほどほどに生きることの大切さを知りましょう。世の中を見てください。ほどほどを知らない人が病気になるのです。迷惑をかけるのです。問題をおこすのです。そうでしょう。

山路天酬密教私塾

詳しくはここをクリックタップ