ウサギはどうしてカメに負けたのか

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人生

令和4年4月9日

 

昨日届いた月間『致知』の5月号に、大変におもしろいお話が書かれていました。

それは皆様がよくご存知の、ウサギとカメの童話についてです。皆様はあの童話の中で、どうしてウサギがカメに負けたのか、またそれによって何を教訓にしていると思うでしょうか。一般には、足の速いウサギはのろまなカメに負けるはずがないと思って居眠りをしてしまった、だから人生に油断は大敵だと、そのように思うはずです。ところがそれは、零点の答えだというのです。『致知』に書かれている答えをご紹介しましょう。

「カメにとって、相手はウサギでもライオンでもよかったはずだ。なぜならカメは一度も相手を見ていない。カメは旗の立っている頂上、つまり人生の目標だけを見つめて歩き続けた。一方のウサギはカメのことばかり気にして、大切な人生の目標を一度も考えることをしなかった」

私はわずか数行のこのお話を読んで、とんでもいないショックを受けました。この童話は『イソップ物語』の中に出ていますが、江戸時代に広まり、明治時代には教科書にも採用されたようです。作者のイソップはあるいは、一般に解釈されている意味でこの物語をつづったかも知れません。しかし、このような童話も現代の大人の感覚で読むと、実にあざやかな教訓としてよみがえることを知りました。

人生にライバルは大切です。ライバルがいるから、あの人には負けたくないという気持があるから、私たちは頑張がんばれるのです。そうでなければ、私たちはそうそう頑張れるものではありません。皆様もそう思いませんか。

しかし、目標を誤ってはなりません。私たちはライバルに勝つことが人生の目標ではないのです。ライバルに勝つことによって何を得るのか、それによって人生に何をもたらすのか、その目標こそが大切なのです。その目標を見失うと、このウサギのような結果も招きかねません。その意味でも、カメは偉大であったのです。

このようなお話を読むと、何かとくをしたような、とても豊かな一日になります。皆様は何を目標に生きていますか。さあ、いかがでしょうか。

山路天酬密教私塾

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