続・遠い先祖は神棚に、近い先祖は仏壇に

カテゴリー
先祖供養

令和5年6月28日

 

皆様は世界で最も古い国家がどこなのか、ご存じでしょうか。エジプトでしょうか、ギリシャでしょうか、それとも中国でしょうか?

答えは何と、わが日本なのです。なぜなら神武天皇じんむてんのうの建国以来、今年で2680年、皇室が一度として滅んだことがないからです。これはギネスにもっていることで、こんな国家はほかにありません。エジプトもギリシャも中国も、それぞれに古い歴史はありますが、次々に王朝の興亡こうぼうをくり返し、日本の天皇家のように続いたわけではありません。次に古いのはデンマークですが、それでも建国1087年、次がイギリスで建国957年です。日本とは比較になりません。日本は特別な国家なのだと言わざるを得ないのです。

では、日本の天皇家だけがどうしてこれほどに続いているのでしょうか。私はその理由を、「遠い先祖は神棚に、近い先祖は仏壇に」の教えを守っているからだと思っています。だいは国家において、しょうは家庭において、神棚と仏壇を共に大切にしてきたからだと思っています。

また真言密教の僧侶はその修法において、インド伝来の神々(三界所有さんがいしょう天王天衆てんのうてんじゅ)はもちろんですが、日本の神社の神々(天照大神など)をはじめ、当所鎮守とうしょちんじゅ(稲荷明神など)、星祭りの神々(北斗妙見ほくとみょうけんなど)、あの世の神々(閻魔法王えんまほうおうなど)、疫病えきびょうの神々に至るまで、ことごとく大切にします。また、お大師さまをはじめとする歴代の祖師、過去精霊のすべてを大切にして、これを読み上げています。(写真)。

あさか大師で得度式とくどしき(仏門に入る儀式)をげる時、私はこのことを入門の方に簡単にお話をしています。私たちは陛下の恩賜おんしを受け、父母の恩愛を受け、鎮守の恩恵を受けてこの日本に生れました。この恩を忘れてはならないとお大師さまはおっしゃっています。私もその通りだと思っています。そして、この教えこそがこの国を支え、2700年近くもこの国を育ててきたのです。これは日本の英知であり、日本の宝です。皆様もこの英知を、この宝を大切に守り、次の世代に伝えていただきたいと思います。

まもなく7月を迎えます。お盆が近づいてまいりました。「遠い先祖は神棚に、近い先祖は仏壇に」の教えを実修する時です。毎年の当たり前が明日の日本となり、明日の自分となるのです。

山路天酬密教私塾

詳しくはここをクリックタップ